〈小技紹介〉ディレイの使い方
そんなに大した事ではないけれど知っているとちょっとした時に役立つテクニックを紹介していきます。
今回は"ディレイ"。
エフェクトの中では定番中の定番ですが意外と奥が深いエフェクトでもあります。
今回はProToolsでの小技を紹介しようと思います。
まず、モノラルAUXチャンネルにディレイを立ち上げます。
ルーティングバスは1にしました。
FEEDBACKは0にした物を聞いてみます。(ディレイは1回だけ)
・もう何回か繰り返しが欲しい場合はFEEDBACKを加えます。
32%にしてみました。
音はこんな感じになります。
ここまでは普通の使い方です。
ここでは実は昔から行なわれているのですが意外と知らない方が多いFEEDBACKのさせ方を紹介します。
プラグインのFEEDBACKを0に戻して1回だけのディレイにします。
ディレイが立ち上がっているチャンネルのセンドにバス1を追加します。
(画像参照)
つまり、ループ回路を作る事でディレイをフィードバックさせてあげようというものです。
この手法はハウリングが起きる事があるので出来ない仕様になっているソフトもありますが、ProToolsとLOGICでは可能です。(Cubaseは出来ません)
ではこの手法の何が良いのか?というとループ回路になる事でしか出来ない効果を付加する事が出来るのです。
例1 としてディレイの後にEQをインサートし、高音を削る処理を施します。
ディレイ→EQ→ディレイ→EQ→ディレイ→EQ という順番に音が通るのでフィードバックを重ねる度に音が曇っていく効果を出す事が出来ます。
例2 今度は同じ状態でEQではLOWを削ります。
例1とは逆にフィードバックを重ねる度に音が軽くなっていく効果が得られました。
例3 今度はEQではなくフランジャーをインサートしてみます。
例4 リバーブをインサートします。
このようにディレイ+エフェクトという効果をフィードバックを重ねる度に付加できて 単発のディレイだけでは得られない独特の効果が得られる手法です。
今回は4種類でしたがインサートするエフェクトを変えれば様々なバリエーションのディレイを作り出す事が可能です。
特別なソフトを買わなくてもテープエコーのような効果はもちろん、少し変わった飛び道具的な効果も作り出せます。
さらにバリエーションを広げてみると バスルーティングを工夫するともっと複雑な効果も作り出す事が出来ます。
ディレイ1からディレイ2へ その後にステレオディレイに送った後フィードバックさせてみました。
モノラルで2回ディレイの後 ステレオでディレイがかかる というギミックです。
こういった単純に一個のエフェクトでは出来ないような効果を作り出せるのもミックスダウンの面白さではないでしょうか? 色々なパターンを試して見て下さい。
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曲作りに行き詰るときにいつもここを再読しに来ています。
返信削除アイデア次第でいろんな音作りを楽しむ!
いろいろなきかっけや考え方を学べるのでとてもありがたいです。