ミックスダウンについて、よく質問される事のひとつに
「ベースとキック、どちらを下にしたほうが良いですか?」
というものがあります。
「ベースとキック、どちらを下にしたほうが良いですか?」
というものがあります。
低音域をベースとキック(バスドラム)どちらに担当させるのか。
これは低音がぶつかる、とか、かぶる、という理由で悩むポイントだと思います。
音楽ジャンルやアレンジなどによって変わる・・と言ってしまっては雑なので、おおまかにここを抑えておけば良いという簡単なポイントを説明しようと思います。
■テンポ(BPM)で決める
私の場合は曲の速さ、BPMでほぼ決めます。
BPMが~110位までは「キックが下」
BPMが130以上は「ベースが下」
BPM110~130くらいでは「アレンジやパターンによる」
こんな感じです。
それぞれ順番に説明していきます。
BPMが~110位までは「キックが下」
遅めの曲ではキックが重めのほうが安定感があり、どっしりした印象を付けやすいです。
また、余韻などがある音色でも邪魔になりにくいです。
また、余韻などがある音色でも邪魔になりにくいです。
特にバラードなどではベースはメロウなフレーズを演奏する事も多く、上のポジションに移行したりするのでローエンドはキックで支えるのがベターかと考えます。
ただし、ベースは軽くするのではなく、あくまでローエンドのボトム感をキックに譲るという感じです。
ただし、ベースは軽くするのではなく、あくまでローエンドのボトム感をキックに譲るという感じです。
ハイパスフィルターで80Hz以下をバッサリ切るなんて事はしないでください。
BPMが130以上は「ベースが下」
BPMが早い曲の場合は大抵キックは細かいパターンになることが多いと思います。ズシズシ言わせるキックは単音だとかっこよく聞こえるかもしれませんが曲の中に入ると実はかなりリズムの邪魔です。
ボトムエンドの帯域(40~60Hz付近)の音は止まりが悪く、長めに残るのでリズムのスピード感が落ちます。
逆にベースは細かい音符を弾いているので低音感を支えるのに適しています。
速い曲はキックにはリズム感を担当してもらうためアタック成分を意識した音作りにしたほうが上手くはまります。
巷の音源を聞くとこれの逆をやっているミックスが意外に多く、ズンズン言ってるキックが16ビートを殺しているなんていうものもあります。
BPM110~130くらいでは「アレンジやパターンによる」
これは臨機応変に・・という感じですが、リズムによって変える感じです。8ビートでベースが8分音符パターンならベースが下。
16ビートも同じくベースが下。
ベースが白玉パターンが多い場合はキックが下。
またはどちらも同じくらい低音を担当する。
このくらいの基準で良いかと思います。
ダンスミュージックなどではキックをトリガーにサイドチェーンでベースにコンプレッサーをかけて・・という手法が一時期流行りましたが一般的なミックスではリズムが変わって聞こえるので使いません。
ここで紹介したパターン+マルチバンドコンプレッサーなどで低音域だけ別に調整するという事はよくやります。
最近はスペクトラムアナライザーを見て音作りをする方法が紹介されていますが
スペアナとにらめっこしているよりも実際に音で聞いて耳で判断するようにしましょう。
上に書いたように音色がリズム感に影響が出るという事に注意してみるとまた違う音作りができるかもしれません。
低音でもリズム感が変わる
これを覚えておいてください。
おわり
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