音質向上は必要か?

何年も前から CDに変わるメディアが必要だ という意見を見る。
特にオーディオ雑誌。


1982年に一般発売されたCDはあっという間に世界のスタンダードとなり
現在に至るまで音楽ソフト媒体のほとんどを占めているメディアです。




レコーディングスタジオではDATというデジタルテープが使われていた時期があって
DATは標準で48kHzサンプリング、パイオニア等の一部は96kHzサンプリングが可能だった。
私も未だにラックにはDATが入っている。
全く使わないが捨てられない。
年に一度ほどDATマスターの仕事があったりするからです。


CDが44.1kHz-16bitサンプリング。
サンプリング方式はPCMという方法を採用している。


マスタリング技術のデジタル対応もあってCDは音楽鑑賞のメインとなって
30年近くたった今もその地位は揺るぎない。


しかし毎年のように新しい音楽メディアが話題になる。
1bitサンプリング、DSD、DVD-AUDIO、SACD等がそれだ。


スペックで言うとDSDなんかはCDの何百倍の情報量になるのだが
はたしてそんなスペックが必要か?という疑問がある。


ぶっちゃけて言うと
「今のCDで十分音良いんじゃね?」
ごめんなさい・・
でも本音。


SACD何かを出しているSONYなんかもきっと同じように思っていると思う。
そしてほとんどのハイスペック音楽ソフトは昔の音源の焼き直しだ。


アナログの2インチのマスターテープから新しい方式でマスタリングしているだけ。


「いやいや・・48kHz24bitのマスターと44.1kHz16bitでは大きく音が違うよ」
必ずこういった意見を聞きます。
音が違うには違います。
問題は音が変わる原因。
単純にDAWのサンプリングレートコンバーターで一気にやると音質が変わる場合もあるし
クラシックのようなダイナミクスレンジが広いものはビットデプスで小さい音が荒くなる場合もある。


一時期エンジニアによってはProToolsの最大値192kHzで録音している事もあったようですが今は96kHzに落ち着いているし、私なんかは44.1kHzで録音する事もあります。


理由は最後のダウンコンバートで音が変わるのがイヤだから。
あとデータが重くなるから。めんどくさい。


世の中MP3にどんどん移行していくのもどうかと思いますが
ほとんどの人は音質ではなく音楽を聞いているという事が浮き彫りになった と。


そしてオーディオマニアの市場は小さくなる一方でビジネス的には高級感をあおったり
理論不明なグッズを高額で売ったりするしかなくなるのではないか?
と悲しいですが思ってしまうのです。




3 件のコメント :

  1. たかふみ2009/11/15 7:26

    お邪魔します 
    高級感を煽ったり、理論不明なものを〜 
    仰る通りですね。あげくSHMだのHQCDだのとオーオタ以外にも騙しに入る悪どさは末期的ですね 
    私はSACDが一番音楽を楽しむのに適していると思い、それを選んでます。最新録音ものは海外では多いですから。
    CDやmp3だとディテールがすっぽり削られてどうにも物足りない。出汁を取ってない味噌汁のようです。音そのものはCDで十分でiPodでも音楽は楽しめますが、神はディテールに宿りますよ。まだまだSACDにも不満はありますけどね。だからといってCDで十分とは思いません。一応オーディオマニアではない立場からの意見です
    日本はごく一部を除いて技術はあるがセンスがないエンジニアばかりでがっかりです。コスト面などで泣く泣くCDにせざるを得ないという声は聞きますが…

    返信削除
  2. 管理人reonald2009/11/15 8:29

    コメントありがとうございます。
    ハイスペックオーディオは確かに魅力ですよね。
    良い音で音楽を聴く事の幸せ感は味わったら病み付きですよね。
    しかし都会の住宅事情では満足な大きさの音も出せないですし、音質よりもビジネスを優先するのが今の音楽業界です。
    もちろんハイスペックになるのは良いのですが問題は音楽メーカーがハードメーカーな事。
    最近は多くのレーベルが外資や他の企業に買収されていますがやはり色々難しいでしょう。
    mp3プレーヤー売ったほうが儲かるからです。
    さらに今後ネット経由でのソフト販売が増えていくとデータ量の大きい規格はサーバー維持費等の負担増になるのでますます圧縮オーディオが採用されていく事でしょう。
    若い子は携帯で事足りている時代です。
    私は音も大事ですがアーティストの曲が沢山の人に聞いてもらえる事が何よりも重要だと考えているので
    オーディオのスペックなどはどうでも良いと本気で思います。
    しかし良い録音が必要な事も事実です。
    その両極端な思考で悩んでいます。
    実際に192kHzサンプリングなどは96kHzの音が録音できるのが売りになっていますが
    そのほかの帯域も同じように4倍以上の細かさになっている事は語られません。
    そして計測上今のCDでも原音をほぼ再現できるという結果も出ているので業界ではこのままCDで行くという雰囲気です。

    返信削除
  3. たかふみ2009/11/16 0:30

    仰る通りだと思います。より多くの人がその楽曲と出会えるiopdなど配信音楽プレイヤーは素晴らしいと思います。
    SACDユーザーの私も「音」より「音楽」だと思います。しかしより良い音だとより感動する、音楽が好きになるのは体験しています。
    どの様な形で聴いても良い曲には感動しますが、現在の流れはどうも録音音楽の価値が軽くなっている様に思います。
    ライヴの予習用だとかミュージシャングッズでも良いですが、それだけではどうにも寂しい気持ちです。
    「どうせipodに落として聴くんだろ?」な投槍?的なアルバムが多いですし、それらをSHMだのblu-specだのと素材を変えただけで「高音質」と謳う、元が良くないのにそんなわけないだろう?と
    ビジネス優先なのは理解出来ます。しかし、音楽文化をより豊かに発展させ未来へ継承する義務がレコード会社にはあるのではないか?そう思います
    CDでも原音再生は可能との事ですが、ごく一部のインディレーベルでは下手なSACDを凌駕するものもありますので頷けます。ようは録音技術や仕事のセンスです(そんな優良レーベルが出したSACDは物凄いのでやはりSACDで出して欲しい気持ちですが)。しかし現在メジャーレーベル、特に邦楽でその様なものに出会った事がありません。
    私はミュージシャンだけでなくエンジニアも含めて「アーティスト」と呼んでいます。ですのでエンジニアでアルバムを買う事があります。良い仕事をする人はジャンル問わず何やっても良いと思います。
    iopdやCDが主流なのが変わらないのは確実ですが、ごく一部かもしれませんが「より良い音で聴きたい」層のために音楽に携わる人の良心的部分でSACDやDVDオーディオなどもリリースして頂きたいです

    返信削除

soundhouse

サウンドハウス